国際通貨基金(IMF)の調査団が2025年11月3日から10日にかけてセーシェルの首都ビクトリアを訪問し、政府や関係機関との協議を行った。今回の訪問は、10月に行われたセーシェルの全国選挙後初の定期的な経済協議として実施されたもので、IMFチームを率いたトッド・シュナイダー氏は「生産的な意見交換が行われた」と述べている。
IMFによると、2025年のセーシェル経済は観光業の記録的な回復に支えられ、当初予想を上回る成長を遂げている。年末までに過去最高となる観光客数が見込まれており、これが外貨収入の増加につながっている。インフレ率は10月時点で0.3%と低く、安定したルピー相場と食料・燃料価格の落ち着きが物価抑制に寄与していると分析された。
また、観光収入の増加によって経常赤字はGDP比約5%まで縮小する見込みで、2024年の8%から大きく改善。中央銀行は外貨準備高を8億7,000万ドル超に積み増し、国際収支の安定を図っている。IMFはこの動きを「適切な政策対応」と評価し、今後も持続的なマクロ経済運営を支援していく姿勢を示した。
セーシェル政府は新政権の「100日行動計画」に基づき、2026年予算の枠組みづくりや経済改革を進めており、IMFは来年上半期に再びビクトリアを訪問して、拡張信用供与枠(EFF)およびレジリエンス・サステナビリティ枠(RSF)の第5次・第6次レビューを実施する予定だ。
今回の訪問では、ピエール・ラポルト財務・経済企画・貿易・投資大臣やカロライン・アベル中央銀行総裁らとの会談が行われ、IMFは「誠実で建設的な対話ができた」と謝意を表明した。セーシェル経済は観光業を軸に回復基調を強めており、国際金融機関からの信頼も着実に高まっている。














