シンガポールのコリビング市場、住宅賃料下落の中でも堅調

シンガポールの住宅市場で、プライベート住宅の賃料が新規供給の急増により3四半期連続で下落している一方、コリビング市場は高い入居率を維持し、安定的な成長を示している。JLLの最新レポートによると、コリビングはもはや一時的な流行ではなく、住宅エコシステムの重要な存在として定着しつつあるという。

2022年から2023年にかけて約3万戸のプライベート住宅が完成し、パンデミック期の建設遅延による供給不足が緩和された。これにより一般的な賃貸市場では価格が下落に転じたが、コリビングは手頃な賃料、柔軟な契約条件、そして住民同士の交流を重視した付加価値サービスによって需要を維持し、市場全体の流れに逆行する形で堅調な動きを見せている。

背景には、シンガポールの高額な住宅費用や土地制約に加え、大規模な外国人駐在員や留学生人口の存在がある。さらに、住宅購入を先延ばしにする若いプロフェッショナル層が、利便性やライフスタイルを重視した暮らしを求めてコリビングを選ぶケースも増加している。

今後2年間も拡大の動きは続くと予測されており、多くの事業者は「アセットライトモデル」を採用し、テクノロジーを活用した効率的な運営に注力している。こうした傾向は、量の拡大から質の向上へと進む成熟化の兆しを示している。

JLLは、住宅市場全体が新規供給に調整する中でも、コリビングは景気循環の影響に強く、シンガポールの住宅環境における恒常的な選択肢として今後ますます存在感を高めていくと結論づけている。

https://sbr.com.sg/residential-property/news/co-living-market-remains-resilient-amidst-private-residential-rents-decline