シンガポールのインフレ率が9月にわずかに上昇し、主な要因として民間輸送費の上昇が挙げられている。CGSインターナショナル(CGSI)が発表した最新の経済アップデートによると、コアおよび総合の消費者物価指数(CPI)はともに市場予想をやや上回る結果となった。
コアインフレ率は前年同月比0.4%(8月は0.3%)に上昇し、総合CPIは0.7%(8月は0.5%)に上昇。月次ベースでは、コア価格が0.3%上昇し、全体の物価も0.4%上昇した。これはブルームバーグの市場予想(コア0.2%、総合0.6%)を上回る水準である。
今回の上昇を牽引したのは、民間輸送費の急騰だ。自家用車購入に必要なCOE(Certificate of Entitlement、車所有権証明書)のプレミアム価格が9月第2回入札で過去最高を更新し、カテゴリーAが11万9,003シンガポールドル、カテゴリーBが13万6,890ドルに達した。
CGSIは、この動きを2026年1月に施行予定の電気自動車早期導入インセンティブ(EEAI)および車両排出スキーム(VES)の制度変更前に高まった需要によるものと分析している。同社は、年末までCOE価格が高止まりし、輸送関連のインフレ圧力が続くと予測している。
今後の見通しについて、CGSIは「バランスの取れた」状態と表現。地政学的リスクによる輸入コストや輸送費の上昇が懸念される一方で、世界的な需要減退や原油価格の緩やかな下落がインフレ圧力を和らげる可能性があると指摘した。
シンガポール金融管理局(MAS)は、原油価格が2026年にかけて徐々に下落すると見込み、SPグループが発表した電力料金の0.3%の四半期上昇に対しては、政府のU-Saveリベート(光熱費補助)が家計の負担を軽減するとしている。
CGSIは2025年通年の総合CPI予測を前年比1.0%で据え置いており、これはMASが示す0.5〜1.0%の範囲内に収まる水準だ。インフレは緩やかに推移しているものの、輸送費やエネルギー価格の動向が今後も注目される。














