香港政府が発表した「Rule of Law Index 2025」で、香港は東アジア・太平洋地域で6位、世界全体では143か国・地域中24位に位置づけられ、全体スコアは前年から変わらないという結果が示された。政府はこの結果を受け、汚職の不在や治安の良さが高く評価されている点を強調し、特に「汚職の不在」は世界トップ10に入るほか「秩序と安全」も上位に位置していること、また「規制執行(Regulatory Enforcement)」の評価が前年より改善して世界15位になったことを国際的な承認として挙げている。これらは、包括的な規制執行の仕組みや反汚職の取り組みが一定の成果を上げていることの表れだと政府は説明する。
本文として見ると、評価項目の多くは微調整の範囲にとどまり、「刑事司法」「民事司法」「政府権力の制約」に関する順位はほぼ横ばいだとされる。政府は香港の司法制度が基本法により保護され、起訴判断は証拠と法に基づいて客観的に行われ、外部からの干渉を受けないと主張している。また、香港の法制度は国際基準に沿って整備されており、被告・当事者には公正な審理を受ける権利が保障され、法的支援を提供する制度も整っていると強調している。一方で「開かれた政府」や「基本的権利」に関するスコアと世界順位はやや低下したが、東アジア・太平洋地域内での順位には変化がないとして、政府はこの小幅な低下が実際の状況を必ずしも正確に反映していないとし、説明活動の強化が必要だと述べている。
背景には、国家安全に関わる法律の全面的な施行が治安回復や経済の安定に寄与しているとの政府の認識がある。政府は国家主権や安全、発展利益を守る姿勢を示しつつ、「一国二制度」の下で法の支配教育を推進し、海外関係者を法曹フォーラム等に招いて実情を直接理解してもらう取り組みを進める考えを示している。こうした方針は投資家や国際ビジネス関係者に対して「安定した法的・規制環境」をアピールする狙いがあり、香港が金融・仲介機能を果たす「スーパー・コネクター」「価値の付加者」としての地位を維持するための重要なステップと位置づけられるだろう。
今後の展望としては、汚職抑止や秩序維持での高評価をビジネス環境の強みとして活かしつつ、国際社会に向けた説明責任と透明性の確保がより重要になる。特に「開かれた政府」や「基本的権利」に関する懸念をどう具体的に説明・改善していくかが、対外的な信頼を左右する鍵となる。香港が引き続き国際基準と司法の独立を示しつつ、実効的な説明と対話を通じて海外からの理解を深められるかが、今後の投資や交流の行方を左右すると言える。














