セーシェル、2026年6月末に「ノミニー取締役」を完全廃止

セーシェル政府は、国際的な透明性基準への適合を目的とした規制改革を最終段階に進めており、2026年6月30日をもってノミニーダイレクター(名目上の取締役)制度の利用が完全に禁止されます。これまでオフショア法人で広く利用されてきたこの仕組みは、真の所有者を隠匿する可能性があるとして、欧州連合(EU)や経済協力開発機構(OECD)から強い圧力を受けてきました。今回の措置により、セーシェルで認可を受けているオフショア関連企業は、取締役またはコンプライアンス担当者として、少なくとも2名のフルタイムかつ現地居住の実体を持つ職員を配置することが義務付けられます。

金融サービス庁(FSA)はこれ以上の猶予期間を設けない方針を明確にしており、既存のノミニー体制を維持している法人は迅速な対応を迫られています。この一連の改革は、セーシェルが2026年2月にEUの「非協力的な税域」リストから正式に除外されたことを受けて、その透明性を確実なものにするための極めて重要なステップです。今後は法人の実質的な経済活動(エコノミック・サブスタンス)がより厳格に評価されることになり、セーシェルは単なる租税回避地ではなく、国際基準に準拠した透明性の高い金融センターとしての地位を再構築しようとしています。投資家や法人オーナーは、単なる名義貸しに頼らない、実体を伴うガバナンス体制の構築が不可欠となるでしょう。