イラク情勢が大きな転換点を迎える中、英国は改めて同国の主権、安定、そして繁栄への支援を強調しました。今月で国連イラク支援団(UNAMI)が役割を終えるのを前に、国連安全保障理事会で英国代表が声明を発表し、イラクが自立した発展と長期的な安定に向けて歩み続けることへの期待を示しました。
英国はまず、イラクの主権の尊重と国際社会との建設的な関係維持の重要性を指摘しました。治安や外交、司法制度など、国家機能の強化は今後の持続的な安定に不可欠であり、特に法の支配と国家機関の実効性を高める取り組みが中心課題になると述べています。さらに英国は、イラクが直面する最大の課題である汚職対策と経済多角化の必要性も強調しました。長年石油依存に偏ってきた経済構造を改革し、若者を含む国民に広く仕事の機会が生まれる体制づくりを急ぐべきだとしています。
今回の声明では、直近に実施されたイラク議会選挙にも触れ、その実施は「同国が民主的プロセスを前進させる上で大きな節目である」と評価しました。英国は、投票を通じて未来を変えようとしたイラク国民の意志を称え、政府形成が迅速に進むことへの期待を表明しました。また、選挙実施を支えたUNAMIの貢献にも深い感謝を示し、これまでの国連の努力がイラクの前進に大きく寄与してきたと述べています。
一方で、UNAMIの活動終了後も国連との協力を維持する必要があるとして、特に人権分野での連携継続を求めました。英国は、イラクで進む女性の政治参加拡大を歓迎しつつ、児童保護や女性の権利に関する法整備のさらなる強化を提案しています。また、性的・ジェンダーに基づく暴力の被害者が適切な支援と司法的救済を受けられる体制整備も急務だと訴えました。
さらに、1990年代から続く「クウェート人および第三国民の行方不明者問題」についても重要な議題として取り上げられました。英国は、イラク政府が最近クウェートの国家アーカイブ400箱を引き渡したことを評価し、この問題に対する協力姿勢を称賛しました。関係者間の連携やICRC(赤十字国際委員会)の関与、そして行方不明者の特定に向けた技術活用の重要性も強調しています。今後指名される見込みの「シニア代表」が、証言者の発掘やデジタル技術の導入を進め、長年停滞してきた案件の解決を後押しすることに期待を寄せています。
英国は最後に、イラクの主権・安定・繁栄への支援姿勢を改めて示すとともに、行方不明者問題に関する国連安保理決議2792の迅速かつ完全な履行を後押しする意向を示しました。そして長年にわたりイラクの安定化に尽力してきたUNAMIの職員と、その代表であるSRSGアル・ハサン氏へ深い感謝を述べ、声明を締めくくりました。
UNAMIが幕を閉じた後も、イラクは自立した歩みを続けていくことになります。英国をはじめとする国際社会がどのように関わり続けるのか、そしてイラク自身がどのように改革と安定を追求していくのか、今後の展開が注目されます。














